時は第二次大戦期。軍靴の足音が聞こえる時代の日本に学者として来日していたイタリア人・マライーニとその家族は、周りの日本人との関係も良好で穏やかな時を過ごしていた。
だが、それはある日突然終わりを告げた。日本とイタリアの政情の変化により、彼らはにわかに“敵国人”として、捕虜となる。拒むこともできず送り込まれた収容所での日々。異国の地で降りかかる不条理の中において、彼らが本当に守りたかったものとはーーー。
時代の大きなうねりに呑み込まれながら、それでも運命に抗おうとした、実在のある家族の物語。
次回は11/2に更新します。