磯貝海斗はブチギレていた。
我々が口にするアワビの二つに一つは盗品、つまり密漁アワビであるという事実に。
それには暴力団が深く関与しており、彼らの資金源となってるという事実に。
そのため自分たち漁師の生活が圧迫されているという事実に。
そして、その状況に対して自分ができることは何も無いという事実に―――
そしてある日、少年は決意する。
「奴らに奪われた全てを、取り返す」
暴力によって奪われた人生を、暴力で奪い返してはならないのか?
怒涛の迫力で描き出される密漁ピカレスクロマン!!